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ビールとにわか雨と言語境界線の国で、 美術と歴史の迷宮を彷徨中の 留学生活の覚書
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遅まきながら、中古の自転車を入手したので、ルーヴァンの南に広がる
Heverleeの森までサイクリングに出かけました。
Heverleebosは、さらに南のMeerdaalwoudの森と合わせると2000haにも
及ぶ広大な緑地帯で、その大部分がウォーキング、ジョギング、サイクリ
ング、乗馬用のコースとして開放されています。

”南の道”は、ナーメン Namen (ナミュールという仏語名のほうが流通し
ていますね)に通じる Naamsesteenweg。 真南に一直線に伸びるこの
道を下って、森に囲まれた村々が連なる Oud-Heverlee と呼ばれる地
域を訪ねます。
DSCF1137-2.jpg
DSCF1132-2.jpg          DSCF1187-2.jpg              

リングを離れていくらも経たない辺りから、すでに道の両側が雑木林に。
中央の写真のような、主にウォーキング・ジョギング用の脇道が頻繁に
左右に現れます。ちなみに、右手の杭の標識は「乗馬禁止」のマーク。

道が緩やかな下り坂なので、10分も走ればさっさと Oud-Heverlee村に
着きます。
とりあえず森、やっぱり森、どこまでも森、という感じの Oud-Heverlee
ではありますが、それでも観光スポットらしきものはあって、自治体の
オフィシャルHPには一応、ツーリストガイドなんて項目まで用意されてい
ます。
せっかくなので、村の誇る見所スポットを、できる限り回ってみることにし
ました。
DSCF1272-2.jpg
DSCF1277-2.jpg   ←①まずは Naamsesteenweg
     沿いの Villa Chantilly 。 
            白い壁に赤い木組みが映え
            る木骨造りです。
            建てられたのは1917年だと
            いうから、そんなに古くはな
            いですね。

→②そして、1本入ったBrainestraat の Ekstermolen
    =直訳すると、「カササギ風車」とでもいう感じでし
    ょうか。
         ルーヴァン一帯を含むDijle川流域において唯一、現存する風車らしいです。
         1920年までは稼働していたそうですが、現在は普通に住居として使われて
          います。残念ながら羽根が取り外されていて、風車らしい姿は拝めません
          が、1830年代に作られた風車塔を間近で見ることはできます。

お次は、Zoet Water 地区の Spaans Dak (「スペイン風屋根」の意)。16世紀
に建てられた、この一帯で一、二番の古さを誇る建物です。
当初はSteenbergen の領主サマのお屋敷だったのが、近代には森林管理官
の住居となり、その後、レストランに売却されて今日に至っています。
DSCF1182-2.jpg
DSCF1214-2.jpg                  DSCF1181-2.jpg
                

③(上左): 池の向こう側に、端正な姿を現すSpaans Dak。 
       ――ん?手前に妙なモノが…(画像クリックで拡大してもわかり
       づらいですね、すみません)
④(上中): キ、キノコだったか… 
       夜になるとライトアップでもされるんだろうか。いや、これ自体が照明
       装置? というか、そもそもコレ何?
⑤(上右): レストランです。16世紀だろうが何だろうが、今は商業施設です。ステ
       ラ・アルトワ250ml€1.8、カプチーノ€2、価格帯は意外に普通。
       内装等、どの程度保存しているのかは、入店してみないとわからない
       ですが、込んでいたので面倒になって素通りf(^_^;) 

あっさり終ってしまったので、付近の Zoet Water と呼ばれる地区を、少し散
策してみます。
Zoet Water(直訳すると「淡水」の意味)は、17世紀に造られた大きな5つの
池を中心とする地区です。もともと湿地だったのを、当時の領主が整備させた
そうで、Spaans Dak の前にある池もそのひとつです。
ちなみに、付近には、ミネラル豊かな飲用水が湧き出ている泉があったりして
ペットボトル持参で汲みに来る人が絶えません。
DSCF1249-2.jpg
DSCF1190-2.jpg     DSCF1195-2.jpg              

自然の豊かな地区です。ちょうどいろんな樹木の芽吹きが始まっていて、きれ
いでした。
DSCF1213-2.jpg
DSCF1215-2.jpg ←⑥かつて養魚池だった池の  
    ほとりには、釣り客の姿も
         ちらほら。

  →⑦結構な大物もいるようで、
    池端には新聞記事の掲示
     が。
         ”Zoet-Water monster”と
          名づけられた、体長1m強、
          体重30kg超の巨大コイに
          関するニュースです。

最後に、Oud-Heverlee 最大の自慢らしい、聖母マリア教会 Kapel van Onze Lieve
Vrouw van Steenbergen に寄ってみました。
1650年代に建てられた教会で、一応、フランドル地方建築遺産に登録されている13
件の歴史建築のひとつです。
DSCF1232-2.jpg
DSCF1225-2.jpg          DSCF1237-2.jpg

                 
⑧(上左): 木の間隠れに見る正面ファサード。乗馬禁止道をものともせず、馬で
       教会に乗りつける観光客。
⑨(上右): 内部には、祭壇画と2点の油彩画(いずれも17世紀)があります。
       ここのご本尊だった聖母マリア像は、16世紀以来、熱病にかかった者
       を癒し続けてきた”奇跡の像”だったそうですが、30年ほど前に盗まれて
       しまい、残念ながら今は見ることができません。

他にも、聖アンナ教会や、やや東のBlanden地区にある聖ヨハネ教会などを回っ
てきましたが、それほど話題になることが見つからなかったので省略します。

という感じで、観光の目玉になるような見所には乏しいOud-Heverleeではあります
が、やっぱり緑の豊かさ、空気の清々しさ、風景の美しさは抜群です。スポーツを楽
しむ人のほか、カフェでくつろいだり、犬を散歩させたり、森や池のほとりに座ってお
しゃべりや読書をしたりする地元民の姿を大勢見かけました。
取り立てて何かをするのではなく、ゆっくり過ぎていく時間を楽しむ――ベルギー的
休日の過ごし方がここにはありました。
DSCF1250-2.jpg
DSCF1147-2.jpg       DSCF1254-2.jpg

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