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ビールとにわか雨と言語境界線の国で、 美術と歴史の迷宮を彷徨中の 留学生活の覚書
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 いきなりですが、今日のニュース記事の中から、目についたものをひとつ。

 
  《Sarah Palin telefoneert met "Nicolas Sarkozy"》

   Sarah Palin, de vicepresident kandidaat van de Republikeinse partij,  had een
telefoontje van een Canadese radiopresentator, Sebastian Trudel, die Nicola Sarkozy
voorwendde te zijn.
   Palin zei dat ze het erg leuk vond om met "de Franse president" te kunnen
spreken, en dat ze en John McCain heel veel respect hebben voor hem. Trundel
bracht de verkiezingscampagne maar slechts kort te sprake, toch sprak hij
enthousiast over jacht, die volgens hem hun "common hobby" is.
   Het lijkt dat Palin wist niet dat ze met de "valse" Sarkozy sprak. Ze stelte hem
voor om eens samen te gaan jagen.
   Als het  echt gerealiseerd wordt dat  Palin in 2016 voor de president kandidaat 
wordt zijn (zoals zijzelf haar goede wil getoond heeft aan de telefoon), en haar
tegenstanders gaat jagen, moet de jachtcampagne dan door de radiopresentator
rechtsstreeks uitgezonden worden.

    ※  ※  ※  ※  ※

 ええと。
 このところ、ガセ情報だのドッキリまがいの企画の餌食になった有名人のニュースがちょく
ちょく続いています。
 先週にも、イギリスのBBCラジオの番組で、有名俳優宅の留守電に、その俳優の孫との
肉体関係をほのめかすメッセージを録音する、というイタズラ企画をやったコメディアンが
番組を降板させられる騒動がありましたが、今回は、アラスカ州知事にして、共和党副大
統領候補のサラ・ペイリン女史ですね。

 サルコジ仏大統領のふりをしたカナダのラジオ番組司会者からの電話に、大変に愛想よく
お答えになっておられました。
 結局、最後まで、相手がニセモノだと気づいてなかったのでは…?という意見が大勢のよう
ですが、ネット上にあがってきている録音のやりとりを聞く限りでは判断つきませんね。

 第一、すでに定着してしまったサルコジ氏のイメージにも責任がないわけではありません
が、それにしても、電話口の偽サルコジさん、あまりにも軽薄すぎる。
 フランス語訛りが相当強い英語のぎこちなさを考慮しても、いくらなんでも、国家元首が
こんなレベルの会話をするか?という疑念は、ペイリン女史も薄々感じていたのでは。イヤ、
副大統領候補としては、疑念くらい感じていただかないと恐ろしいですが。
 確かに愛想よくフレンドリーな応対ではありましたが、ペイリンさん、全体に、当たりさわり
のない線をキープするのに終始しているような受け答えでした。

・・・ではありますが、やっぱりまるっとだまされていらっしゃったんでしょうかね?

「アナタはいずれ大統領になると思っている」という偽サルコジ氏のヨイショに対して、半ば冗
談めかして、「8年後に、ですかね。たぶん!」とペイリン女史。
 
 言っちまいました・・・
 
 女性初(おそらく初でしょう8年後でも)の米国大統領の座、ライフル協会会員の狩猟家知事
にとって、的として不足はないようです。

  ※  ※  ※  ※  ※

 ドッキリまがいの企画って、笑えるレベルと笑えなくなるレベルの間の線引きが難しいです
ね。例のイギリスの騒動も、ブラウン首相がBBCに苦言を呈するほどの問題に発展しています。

 ガセ報道で思い出すのが、管理人が目下暮らしている、曇天のビール大国の国営放送(!)
が、2年前の年末にやらかした「分離独立架空報道事件」。

 言語境界線でまっぷたつのこの国が、とうとう分裂した!国王は亡命!境界線付近一帯は
封鎖!と、あおるだけあおって、しばらくしてから「ウソだよ~ん」とテロップを流す、という、思
わず殴ってやりたくなるようなハタ迷惑な事件でした。

 ただ、この場合、非難が集中したのは、もっぱら番組の手際の悪さというか、フォローの不
備だったように感じます。
 テロップが出たのは最初の報道から30分経過した後。時間的に見て、明らかにコーヒー休
憩を間に挟んだ感じですねー(笑)
 ネタ自体は、なかなかに自虐的で、笑えるけど笑えない微妙な線をわきまえていて、許容
範囲内ではないか、というのが私の感想でした。
 放送局に問い合わせの電話が殺到したとはいえ、それはフォローがタイムリーでなかった
から、アレ?マジで?と確認のために問い合わせた人がほとんどだったでしょう。

 この、常雨のバイリンガル国家、ええい面倒だ、要するにベルギーですが、ご存じの方も
多いように、北部(ヴラーンデレン)と南部(ワロニエ)の二つの共同体から成っておりまして、
言語の違いに端を発し、もっぱら深刻な経済格差を直接の原因として、常に分裂の危機に
揺れ動きながら、それでも、どうにかこうにか統一を保っている、という不思議な国です。

 過去に重工業で栄えたワロニエですが、前世紀半ば頃を境に衰退期を迎え、対してヴラー
ンデレンがハイテク・情報分野での目覚ましい発展を遂げたことにもより、完全に経済的地
位が逆転して今日に至っています。 
 ワロニエの言い分もあることでしょうが、ヴラーンデレンにおりますと、南部の分まで北部
が面倒をみるハメになっている、という不満が表出する場面に多々遭遇します。
 ヴラーンデレンの極右政党を筆頭に、分離独立を求める動きは、特に北部には厳然とし
て存在しているのです。
 
 2年前の架空ニュースは、発信元がワロニエ側の国営放送であったという点で、ある意味
自虐的ではありますが、同時に、南はもとより、北でも受け入れられている現状認識の根本
的土台(つまり、性急な分離独立によって政治的に弱体化する道を選ぶより、とりあえず
今ンとこはくっついたまんまでいよう、という)があるからこそ、どうにか「お騒がせ」の域で
とどまっていられるのです。
 
 さてさて。
 ペイリン女史のニュース続報は、別に大したことにもならないでしょうが、BBCのほうは、
ちょっとイタダケナイ話でしたね。
 人気コメディアン、つまり笑いのプロともあろう人なら、笑えるレベルと笑えないレベルの
分断線には、この上なく敏感であってしかるべきものを。もっとも、エンターテイメントの世界
では、往々にしてその敏感さが、視聴率だの話題性だのという重圧の前になおざりにされて
しまうわけですが。でも、それは言い訳というより弱音にしかならないでしょう。

 個人的には、「他人を笑う」というのは非常に度胸のある行為だと思っておりますので、あえ
てそれをする場合には相応の準備と配慮と覚悟が要る、という教訓を改めて強く感じさせられ
たニュースでした。

 
 冒頭のたどたどしいオランダ語は、私がVRT(ヴラーンデレン側国営放送)のニュースを
自分の言葉で要約したものです。
 間違いがあろうがなかろうが、とにかく書くこと(そしてもちろん、話すこと)を習慣化しない
限り、いつまで経っても語学は身につきません。当たり前ですが。
 今後、こういう形で、できる限り毎回、オランダ語でのニュース紹介などを載せていきたいと
思っています。
 間違いの指摘、ご意見など、お気づきの点があれば、ぜひご教授くださいますよう。よろしく
お願いいたします。
 

 VRT当該記事リンク↓
www.deredactie.be/cm/de.redactie/buitenland/081102_Palin_Sarkozy


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