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ビールとにわか雨と言語境界線の国で、 美術と歴史の迷宮を彷徨中の 留学生活の覚書
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注意書きから書き出すのは、女々しいことこの上ないので、もういい加減やめたいんです
が。あまり普通の精神状態で書いていませんので、そのつもりで読んでください。
  んでも、後から読み直してみて、あのときは冷静じゃなかったから、アレは無し、
  なんてコトは言いませんよー。
  どんな愚かしいことを書こうが、そのとき感じたことは事実だかンね。

  *    *    *

 今まで私は何をしてきた?という問いが、心の中で暴れまわっている。海外に出た日本人の
味わう苦労話の常として聞かれる、理不尽な差別だの偏見だのの悔しさを(比較的)味わっ
てこなかったのは、自分が気を張っていたからではなく、人と関わる機会の絶対量が少なか
っただけではないのか。自分自身に図星を指されて、どうしようもなく腹が立つ。

 オランダ語のクラスに戻るつもりはない。非生産的だからだ。どう見ても、立ち止まってやり
直してからでないとついていけないものを、無理に意地張って出席し続けたところで得るもの
は少ない。それにしても、許せないほど悔しい思いをした。 
 最近よく隣になるアフリカ出身の学生(といっても30過ぎだろうが)が、つくづく気に障ること
を言ってきたので、キレた。初めから、いちいち、こちらの言うことに聞き返す(私も向こうの
発音だのなんだの、いろいろわからないから聞き返す。要するにコミュニケーションに向か
ない相手なのだ、お互いに。だから話しかけてくンなよ、うっとうしい)のもいい気分がしない
し、そのたびにいかにも「青二才の意見を微笑ましく聞いてやっている」というかのような、バ
カにした笑みを浮かべてこちらの顔をのぞきこんで相槌を打ってくるのも、本当に癪に障る
相手だった(なので、子供扱いされついでに、子供らしく、怒りを覚えてやる)。
 おまけに日本に知り合いがいるだのなんだの、そう言えば日本人はみんなバカみたいに喜
ぶとでも思ってンのかね。ワンパターン野郎めが。 
 今日、究極に不愉快だったことは、「1年半でそのくらいしゃべれるようになるのはなかなか
だと思う」とバカにした発言(つまり、それでもみんなのレベルにはついて行けないよ、というこ
とを暗に言いたいわけだからな)をしてきたことだ。なので、肩をすくめて、それはありがとう、
ご親切にどうも、と言ってやる。ヤツは、いやいや本当にそう思うよ、と無礼発言の余計な上
塗りをしつつ、そこで、私を本当に芯から冷却させることを言いやがった。
 相手が言っていることが今イチわからなかったので(…, Japanse mensen zijn vriendelijk,
というフレーズに引っ掛かった。「日本人は親切だから」?だから何?そのフレーズと、その
後の内容とがどう結びつくのか。ちなみに未だにわからん)、そのたびに向こうが“Nee, nee,
je begrijpt niet, (いやいや、キミは理解してないよ)”とヤレヤレという感じで笑いつつ言って
くるのがなおさらムカついたが。要訳すれば、「70点とれる実力があったとしても、40点しか
もらえないこともあるからね」と言うことが主旨らしい。自分も、というか、一般論だが、あくま
で、と。
 その後で、まだわかってない様子だね、と、紙切れにDiscriminatie(差別)と書いてよこした。
(それが英語と同様、"差別"を意味する単語だろうと察しがついていても、念のため辞書で確
認せざるを得なかった自分の性格がまたバカバカしくも哀しいね(笑)  

  …それで?

  だから何だっての?


 私をキレさせたのは、ちまたで耳にするILTの有色人種差別そのものではない。それより、
何より、自分に実力が伴っていないのは、ご丁寧に指摘されるまでもなく、自分で一番よく
わかっていて、それにものすごく歯がゆい思いをしているのも私自身だからだ。
 ぶっちゃけ、私が腹を立てているのは半分以上、自分自身の現状であって、その発端の
ナメた似非インテリ野郎の発言は、あくまで起爆剤になったにすぎない。

 いかにこの語学学校でアジア人蔑視だの黒色人種差別だのがささやかれていようが、
(反論のある方がもしいれば、ご自由にどうぞ。私の発言が人種差別的だと曲解するな
ら受けて立つ。後にも書いているように、私自身がそういう意図で書いているのではない
し、そういう風聞がささやかれているという事実は事実だ。)私の知っている限り、アジア
人だろうがアフリカ人だろうが、試験に通るヤツは通っている。

 問題は人種なんかじゃないのだ。かといって実力でもない。

 要は、人種がどうとか偏見がどうとかいうのを、はねのける力、あるいは神経、ありてい
に言えば人生経験があるかないかだ。そういう差別をまったく意に介さずに、屈託なくよく
話しよく聴き、講師にもデキるヤツだと印象づけて、ハイテンションで乗り切ったヤツのみ
が勝ち残る。
 それができなかった場合、人種に基づく偏見だの差別だのが、多少の影を落とさないで
もないが、それでも、根本的な問題じゃない。ただ、次のことだけは言える。講師にしろ、
クラスメートにしろ、かけ離れた言語圏から来た者のハンディなんか全く意に介してくれ
るわけじゃない。デキない者はデキない。それだけのこととして見られる。だから、悔しい
思いをしたくないなら、いろいろ言いたいことを噛み殺して、影で努力を積み重ねるしかな
いのである。
 悔しいことこの上ないが、私には、まだ、偏見をものともせずに自分を押し通していく力
がない。偏見など黙らせる意志はある。だが、説得できるだけの実力が伴わない限り、
意気込みだけでどうなるものでもない。語学力も、精神力も、少し落ち着いて、きちんと
伸ばしていく必要がある。それには、どう頑張っても無理しても、それなりの時間がかか
るのだ。焦れば焦るほど空回りする。息切れしている状態で無理やり走り続けたって、
ゴールまで無事に辿り着けるものか。

 オランダ語の語学力だけを言っているのではない。議論の仕方だとか、さりげない自己ア
ピールだとか、浅いレベルでいいから説得力のあるお飾りつきの見栄えのいいコメントをす
ばやくまとめることがどうしようもなく下手だ。
 深く考えたって、考えることができたって、試験には通らないし、当たり障りのないレベル
の会話でとどめておく器用さがないと友達は増えにくい。結果として、”まあ、留学生やって
るんだから、勉強はできるのかもしれないけど、しょせん自分の意見がうまく伝えられない
不器用なアジア人のコドモ”という見方しかしてもらえないのが実情だ。  
 日本も海外も変わりない、と言うのは、こういうことだ。
 日本で浮き続けた私は、海外でも浮く。それが私だ。27年間、望むと望まざるとにかかわ
らず、自分の意地半分、否応なしの環境要因半分によって培われてきた素質は、幸か不
幸か、もう変わらない。
 はっきり言って、語学学校の中だけではない。万事がそうだ。教授や同学科の院生に対
するときさえ。今は本当に我慢を重ねるのみの状態だ。不完全燃焼で、空回りで、自分を殴
ってやりたい歯がゆさを必死でバネに変えて昇華させようとするのみの状態だ。
 彼らがそれでも私の中に、研究者としての”何か”を見てくれているうちは(それが意欲や
努力に対する情状酌量なのか、あるいは私自身にだけは見えていなくて他の人間が嗅ぎ
とる例の“匂い”というヤツ [←笑。この感覚、大っっ嫌いだ。独特の”〇都語”の裏の意味
をわからずに勘違いする余所者を嗤う京〇人的な排他性を感じる。どこまでいっても自分
は変わり者のレッテルを貼られて埒外にはじかれているようで、正直、精神的にしんどい。
バカにするなら、もっとストレートに言え] なのか、それはともかくとして)、そしてそれを無
視する必要がないうちは、まだいい。でも、そうして、同情だか無関心だかのおかげで生き
延びていられる間に、本当の「相手を黙らせる」実力をつけないことにはどうにもならない。 

 自分を支えることなら、まだ、いくらでもできる。家の外でも内でも、私のことをよく知りもし
ない人間に、何一つもわかっていないくせにわかったつもりになる人間に、さらに悪いことに
はわかろうとするつもりすらないクセにわかろうとするそぶりを見せる人間に、許せないこと
を言われたりされたりするたびに、ずっとそうしてきた。彼らに私の何がわかる。私の葛藤も
怒りも悔しさも悲しみも、私一人のものだ。私だけがわかっていればいい。だから、そういう
心構えで生きている人間の生き方をバカにするようなことだけはやめろ。
 そういう意味で、私は、いや、どんな人間も一人だ。その前提は同じなのに、なぜ、私は子
供扱いを容認し続けねばならない?十数年も前からずっと怒りに圧され潰れ踏みつけられ、
それでも蹴飛ばして意地で立ち続けてきた。怒りだけで。私自身を食いつくすほどの強さを
持つ怒りだけで。
 だから、自分を支えることはできる。 
 だが、大事なのは実力をつけることだ。子供扱いされるのがイヤなら、それだけの実力を
持つのが筋だからだ。いくら自分を支えても、前に進むことができなければ、何も変わらな
い。くだらない自己肯定に染まっている目ざわりな人間と何ら変わりない。 

 だから、私はどうにもならない怒りを、不完全燃焼の燻りを、自分の中で、心の深いところ
で、密かに冷ややかに燃やし続けながら、先を目指し続ける。
 
 誰にも否定させない。
 私は一人だ、今までもこれからも、ずっと。
 一人の覚悟を決めて、一人で立っていく。
 こういう不器用な生き方を嘲笑いたければ嘲笑っていいし、侮りたければ侮っていい。
 私は、そのたびに愚かしくも素直に真っ当に不快な思いをするだろうし、傷つくこともある
 だろうが、ただひとつ、それによって揺さぶられたり曲がったりなどはしてやらない。
 そして、いずれ押しも押されもせぬ何者かになること。それだけを見据えて先に進む。
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