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ビールとにわか雨と言語境界線の国で、 美術と歴史の迷宮を彷徨中の 留学生活の覚書
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  哀れなモノを作ってしまった・・・
d6b0173a.jpeg
昨年の春先に、当時、留学中だった友人のご招待でイタリアに
旅行したとき、栗の粉(Farina di Castagna、ファリーナ・ディ・
カスターニャ)を買ったのです。

使う機会を逃したまま、期限切れが迫ってきたので、適当にレシ
ピを探してみたら、トスカーナの伝統的焼き菓子だという”カスタ
ニャッチョ”(Castagnaccio)なるものに遭遇した。

材料は、栗の粉と水と塩とオリーヴオイル、ナッツ類とレーズン。
栗の粉自体に甘味があるため、砂糖すら使わない、混ぜるだけ
の単純レシピだとのこと。

粉を消費するためだけに作るにしても、どうせならご当地レシピ
で、ということで、やってみました。

3c9f7cd8.jpeg ボールさえ使わず、タル   e2d4461e.jpeg
 ト型でいきなり混ぜると
 いう暴挙のうえに、ナッツ
 類とレーズンは省略、わ
 ずかに余っていたクルミ
 を申し訳程度に埋め込ん
 で、なんかもう、やる気の
 なさがにじみ出ている。

 ↑モルタル作ってんじゃ
  ないからね。一応。


160~ときどき200度のオーヴンで20分。表面が乾いてひび割れるまで、と
あったが、出してみたら、ひび割れなんて可愛いもんじゃなかった。
DSCF8043-2.JPG
DSCF8041-2.JPG  どこの渇水地でも干潟  
  干拓地でもありません。
  ついでに、綱手様が暴
  れた後の演習場でも
  執務室でもありません。
  →断面。


・・・ええと。
何だか、かわいそうなことしました。
せっかく日本では入手が困難な貴重な素材を。
しかも伝統のレシピで。
表面の荒れ具合といい色といい、地割れの大地にしか見えんのが痛々しかった。

それでも、味自体は悪くなかったです。
なんていうか・・・胡桃ゆべし?
-とかいっている私は、胡桃ゆべしを食した経験は未だありませんが(笑)
たぶんこんな感じだろうな、と。

焼いている間は、きな粉のような香ばしい香りが漂っていました。が、栗の
粉自体に、何とも形容しがたいクセというか苦味というか、独特の香りが
あるので、最初はちょっと抵抗があるかもしれない。
ローズマリーを使うレシピなどもあるようですが、確かにハーブやスパイス
でうまく調節する必要がありそうです。


いつか本場のカスタニャッチョにお目にかかる機会は来るのだろうか・・・



気を取り直して、最新ニュースから、美術・文化関連の話題を。

・「ファン・ゴッホと夜の色彩」展-アムステルダム、ファン・ゴッホ美術館
 Van Goghs "Sterrennacht" hangt in Amsterdam

 http://arthistory.about.com/gi/dynamic/offsite.htm?  
 zi=1/XJ&sdn=arthistory&cdn=education&tm=425&gps=118_
 283_1210_543&f=10&tt=33&bt=0&bts=0&zu=http%3A//www3.vangoghmuseum.nl/vgm/index.jsp


    ニューヨークのMOMAとの共同開催の展覧会。
    《星月夜》(The Starring Night)が貸し出されるというので話題騒然ですが、
    そのほかにも、初期の風景画などの秀作が来ています。
    個人的には、こちら  http://arthistory.about.com/od/from_exhibitions/ig/van_
    gogh_colors_of_night/vvg_cotn_moma_03.htm

       の《夕暮れの風景》(Evening Landscape、1885)が気になっていたりする。
    あの、奥の木立の前に低い防壁を作っている草むらだか生垣だかのタッチを
    近くで見てみたい。
    構図も筆致も、実験途上なのだろうが、すでにひとつの結論に達しているか
    の揺らぎなさを醸し出しているのが惹かれる。

    というわけで、そのうち、暇を見て行ってきます。

    Van Gogh Museum Amsterdam   ~6月7日


・リチャード・アヴェドン回顧展-アムステルダム、写真美術館
 Eigenzinnige portretten door Richard Avedon
 
 http://www.foam.nl/index.php?pageId=9&tentoonId=153


    同じくアムステルダムで、アメリカの写真家Richard Avedonの初の大規模回顧展。
  
      Richard Evedon(1923-2004)
        :広告写真家としてキャリアを始め、のちにファッション・フォトグラファーとして
         Vogue や Life などの雑誌を中心に活躍。
         肖像写真のジャンルにおいて、モデルを白やモノトーンのニュートラルな背景
         の前に立たせることでコンテクストから切り離し、対象の内面を浮き彫りにす
         る手法で知られる。

    写真は専門外もいいところなのですが、Avedon氏の撮る”フツーの人々”の写真の
    中に、何か惹かれるものを感じまして・・・
    ほぼ全員、正面観でこっち(鑑賞者)を見据えていて、見据え過ぎているのがイイ。
    こちらも機会があれば見てきたいと思っています。

    Fotomuseum Amsterdam      ~5月13日 


・19世紀の中国製壁紙、半世紀ぶりに再発見-Hingene、Kasteel d'Ursel
 Vier rollen waardevol Chinees behangpapier
 
 http://www.gva.be/antwerpen/bornem/anderhalve-eeuw-oud-chinees-behangpapier-boven- 
  water.aspx



    アントウェルペン州のHingeneで、Ursel城のサロンに用いられた19世紀の
    中国製壁紙の残りと見られる4ロールの壁紙が再発見されました。
    

    Ursel公爵家の所有だったUrsel城は、長年にわたって大規模な修復を行って
    いて、それが最近、ようやく終わったところです。
    oeverが昨年4月に指導教官に連れていってもらったときには、ほとんど公開準備
    は整っていましたが、それでもまだ、片付けていなかったり作業中だったりの部分
    があちこちにあって、修復後の部屋よりも、修復の現場が見られたことのほうが
    面白かったのを覚えています。

DSCF1318-2.JPG  ←Kasteel d'Ursel        DSCF1325-2.JPG
  
  こちらが、今回発見された
  壁紙と同じものが使われ
  ているサロンです   →
  床に転がっている人形だ
  の木材だのは準備作業の名残り


    写真でわかるとおり、部屋の壁紙はかなり色あせてしまっており、
    修復時にもオリジナルカラーの再現は不可能だったとか。

    今回発見された壁紙ロールは、もともとはUrsel城の屋根裏に保管されていた
    もので、おそらく余分に買い過ぎたものをしまっておいたのでしょう。
    それが、城の売却時に新しい持ち主の自宅の屋根裏に移され、そこからさらに、
    その家を買った人物の家の屋根裏に移されて・・・と、半世紀にわたって屋根裏
    から屋根裏を渡り歩いてきた品らしい。
    ずっと巻いた状態で保管されていたために、オリジナルの色がそのまま保存
    されていて、非常に良いコンディションだとのこと。
    関係者は世紀の発見に大喜びだそうです。

anderhalve-eeuw-oud-chinees-behangpapier-boven-water_5_460x0.jpg  (←Gazet van Antwerpenの上記記事より転載)
    
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